新作映画が描く、イラク開戦の告発者 日本と深い接点

映画「オフィシャル・シークレット」が描いた内部告発者 キャサリン・ガンさん(46)

 国家機密を漏洩(ろうえい)した疑いで解雇され、即逮捕。やがて起訴され、裁判闘争へ……。この人がたどった道を、事実に基づきドラマ化した映画「オフィシャル・シークレット」が28日に公開される。

 台湾育ちで培った中国語の能力を生かし、英国政府の通信傍受機関で翻訳分析官を務めていた。2003年1月、職場に転送されてきた米諜報(ちょうほう)機関幹部のメールが、すべての始まりだった。

 イラク戦争の開戦前夜、米英両国は、国連を舞台に対イラク武力行使への賛成を取り付けるため、スパイ活動を行っていた。

 開戦工作の汚いやり口を示すメールの文面に怒りを覚え、日曜紙オブザーバーに匿名で手紙を送り、内部告発者になった。

 「実際に起きたことだからこそ、この映画は力がある」

 イラク戦争が世界に残した負の遺産はいま、「むしろ悪化している」と憂える。コロナ禍の下、各国で監視社会化が強まる傾向も気がかりだ。「人間は電子機器でつながれば大丈夫なわけではない」

 英政府で仕事をするよりも前、広島で英語指導助手をしていた。戦争を止めようと告発に踏み切る際、被爆地で知った原爆の真実は背中を押す要因の一つだった。

 「核の恐怖を忘れてはいけない。戦争には皆、もううんざり。まともな外交政策を取り戻すため、この夏こそ考えてほしい」(梅原季哉


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment