新型肺炎は「国内発生の早期」 首相官邸で専門家会議

 新型コロナウイルスによる肺炎が国内でも広がっている状況を受けて政府は16日、首相官邸で新型コロナウイルス感染症対策本部の会合を開いた。安倍晋三首相は「国内の感染状況について先日来、新たな感染例が確認されている」と説明。対策本部後には専門家会議(座長=脇田隆宇・国立感染症研究所長)が開かれた。

 首相は、全国536の帰国者接触者相談センターが土日を含め24時間体制で対応することや、診療体制が整った医療機関を726カ所から800カ所に拡大することなどを説明した。

 初となる専門家会議には、感染症の専門家のほか弁護士ら12人が出席した。新型肺炎の患者を治療した医師などからの説明があり、かぜのような症状が長引き、体のだるさが続く特徴があることが報告された。軽症の人が多い一方、高齢者や持病がある人が重症化しやすいとされた。

 会議後に記者会見した脇田座長は「国民全体で協力して、蔓延を押さえる行動が必要」とし、軽症者はなるべく自宅で療養することを勧め、いかに重症者を把握し医療機関で治療できるようにすることが大切だと強調した。

 一般の人がどのような際場合に医療機関を受診すべきかの目安については、17日にも公表するとした。目安には発熱や症状などを具体的に示し、どういう場合に相談センターに相談すればいいのかを明示するという。医療機関が参考にできるよう、新型コロナウイルス肺炎の症例集を配布する方針考えも示されたという。

 現在の国内の発生状況については「国内発生の早期」との認識が確認された。

 中国湖北省武漢市を中心に感染が拡大してきた新型肺炎だが、日本国内ではすでに中国との関連が見られず感染経路が不明の感染が北海道や千葉、神奈川などで確認されている。和歌山県では医師が感染し、院内感染の可能性も高い。こうした状況に加藤厚労相は「以前とは状況は異なっている」と国内感染が新たな局面に入ったとの認識を示していた。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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