新機軸、どう打ち出す? 大阪万博25年4月13日開幕

 大阪・関西万博の開催期間を2025年4月13日~10月13日とする開催計画が20日の閣議で決まった。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。高度経済成長期の1970年に開いた万博のような熱気の再来は簡単ではない。新しい基軸をどう打ち出すかが課題だ。

 閣議に先立って首相官邸で開かれた万博関係閣僚会議。菅義偉官房長官は「世界中の人々に夢や驚きを与える万博を実現するため、準備を加速していきたい」と強調した。万博を所管する梶山弘志経済産業相も閣議後会見で「70年の大阪万博で科学とか色んな分野に皆さんの目が向き始めた。夢や驚きを与えるような万博にしたい」とした。

 25年万博は計166の国や企業の出展と約2800万人の来場者を見込み、「未来社会の実験場」をコンセプトに据える。「いのち」をキーワードに、関西が強みを持つ医療やライフサイエンス分野の知見も生かす考えだ。

 「世界中の人が参加できるオンラインの仕組みづくり」「人工知能(AI)などを活用して待ち時間や言語の壁をなくす超スマート会場」「空飛ぶ車」――。経産省が実業家の堀江貴文さんや宇宙飛行士の山崎直子さんら計131人から意見を聴いて7月にまとめた報告書には、こんな案が並んだ。

 しかし、識者からは「いま想像できる技術は25年にはもう古い」との声も上がる。情報化社会のなかで大規模な展示会の集客力は低下し、万博の意味は問われ続けている。博覧会国際事務局(BIE)自身も94年、国力や先端技術を披露する「国威発揚型」の万博から「地球規模の課題解決に貢献するもの」とあり方を見直している。

 そこで25年万博の一つの指針に据えているのが国連のSDGs(持続可能な開発目標)だ。運営主体・日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長は「日本や外国のグループがSDGsの取り組みを表現する『甲子園』みたいにしたい」との構想を語る。

 来年10月に開幕するドバイ万博の会場は大阪の3倍近く巨大だ。資金力も豊富で、石毛総長は「大阪はもっと効率的、循環的なものをめざすべきだ」と話す。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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