日大元理事らの保釈認める決定 東京地裁 背任事件

 日本大学板橋病院をめぐる事件で、背任罪で起訴された日大元理事・井ノ口忠男被告(64)と医療法人「錦秀会(きんしゅうかい)」(大阪市)の前理事長・籔本雅巳被告(61)について、東京地裁は19日、保釈を認める決定を出した。保釈保証金は井ノ口被告が4千万円、籔本被告が8千万円で即日納付された。

 東京地検は決定を不服として準抗告するとみられ、これが退けられれば、両被告は10月の逮捕以来、約40日ぶりに保釈される見通し。

 両被告は16日に追起訴され、弁護人が翌17日に保釈を請求していた。地裁は証拠隠滅や逃亡を疑う相当な理由はないと判断したとみられる。

 両被告は、板橋病院の建て替え工事の設計業者選定をめぐり、評価点を改ざんして選定した都内の設計事務所から籔本被告のペーパー会社に2億2千万円の日大資金を不正送金したとして起訴された。さらに、同病院に医療機器などを納入する取引で籔本被告側の2社を不必要に介在させ、計約2億円を上乗せしたリース契約を日大に結ばせて損害を与えたとして追起訴された。

 関係者によると、井ノ口被告は金の流れの事実関係は認めつつ「大学に損害は与えていない」と違法性を否定。籔本被告は追起訴分については違法性も認めているという。

 事件をめぐっては、日大の田中英寿理事長(74)が過去3年間で、籔本被告から受け取った現金など1億円超を税務申告していない疑いがあり、特捜部は意図的に所得を隠した所得税法違反にあたる可能性もあるとみて捜査を続けている。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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