日本は「子育て罰」の国? マタハラ、高い教育費…研究者も悩んだ

 「子育て罰」という言葉を知っていますか? 2児を育てる記者(34)も、最初に目にしたとき、どきりとしました。子育て世帯に冷たい日本の政治や制度、社会意識を「子育て罰」と名付けたものですが、重い言葉の裏にはどんな思いが込められているのでしょうか。「子育て罰」を研究し、発信する日本大学の末冨芳(かおり)教授(教育行政学)に話を聞きました。

 ――研究対象として「子育て罰」に興味をもったきっかけを教えてください。

 もともとは、日本の教育費負担の高さに疑問を持ったことです。今は日大の教授をしていますが、そこでも「経済的に苦しい」という学生にたくさん出会います。

 「大学に行けているのに……」という声もありますが、よくよく話を聞くと、生活保護を受給できるレベルの家庭の学生もいます。今では、学生の家庭の経済的な苦しさは、年々深刻になっていると感じます。日本では学費の補助が限定的で、大学に行くのが苦しい先進国のひとつです。

 ――ご自身が2人のお子さんを育てていて、「子育て罰」を感じた経験はありますか?

 たくさんあります。それこそ、妊娠中からハラスメントを受けました。

 妊娠を告げ、業務の相談をし…

この記事は有料会員記事です。残り1905文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment