日産がゴーン被告出国を批判 初の声明、会見前に牽制か

 日産自動車のカルロス・ゴーン前会長(65)がレバノンに不法出国したことが発覚して1週間。日産が不法出国について初めて声明を出し、前会長を厳しく批判した。前会長は8日、2018年11月の逮捕後初めてとなる記者会見を開く。逃亡を正当化し、改めて無実を訴えるとみられる前会長を牽制(けんせい)する狙いがありそうだ。

 日産は声明で、前会長の出国を「保釈条件に違反し、裁判所の出国許可を得ないまま逃亡したことは、日本の司法制度を無視した行為で極めて遺憾」と批判。前会長の不正行為で被った損害の回復に向けて損害賠償を求めるなどの方針は「逃亡によって何ら影響を受けるものではない」と強調した。

 日産は約1年に及んだ社内調査で、役員報酬の虚偽記載や会社資金の私的流用など、ゴーン前会長とグレッグ・ケリー前代表取締役=金融商品取引法違反の罪で起訴=の総額約350億円にのぼる不正を認定した。日産は声明で「不正規模は多岐にわたり、極めて甚大なもの」だと指摘。前会長の全役職を解任したのは「経営者として不適格であるとの判断による」と強調した。

 米メディアによると、ゴーン前会長は会見で複数の人物の実名を挙げ、事件は「クーデターだ」と主張する可能性があり、日産は前会長の「発信力」に警戒を強めている。日本の司法制度を批判して出国を正当化するともみられるが、日産幹部は「ゴーン氏の行為の善しあしと日本の司法制度の問題点は別の話だ」と話す。

 経済界からも7日、前会長の出…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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