日露首脳・共同記者発表詳報(下) プーチン露大統領「平和条約交渉を新たなレベルにするため地道に作業する」(産経新聞)

 安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領は29日夜、大阪市内で行った日露首脳会談後、共同記者発表に臨んだ。プーチン氏の主な発言は次の通り。

 プーチン氏「尊敬する総理大臣閣下、ご来場の皆さま、まず第1に晋三さんに今回G20サミットが無事成功裏に行われたことに、お祝いを申し上げます。また、日本に招待をいただいて、G20サミットに合わせた訪問となりまして感謝したいと思います。

 日本におけるロシア年、ロシアにおける日本年という大規模な事業の閉会式に出席しました。これから関係省庁、企業が出席する拡大会合にも参加します。

 2国間の問題、また国際問題に関して真剣な議論をしてきました。締結された合意文書はロシアと日本の協力拡大に向けられたものです。ロシアとしては日本と信頼関係、また友好関係を原則にして、日本を重要なパートナーとしています。

 また、緊密な政治対話を行い、日露外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を行っています。安全保障会議、議員交流が行われています。貿易高が17%増加し、1~4月はさらに3%伸びました。日露政府間委員会、安倍首相が提案した8項目の計画、またロシアの戦略的な貿易経済の拡大、協力の拡大に関する戦略的な計画に基づいて、かなり成功裏な仕事をしていると思います。

 本日、結ばれた共同声明は今後ロシアの国家事業に日本が技術提供、投資することになっています。さらに投資プラットホームがかなり良い形で活動しており日本の関係者の皆さんがサンクトペテルブルクの国際経済フォーラムに参加しました。また、9月にウラジオストクで東方経済フォーラムが開かれますが、そこで安倍首相、日本側の皆さんをお迎えすることを楽しみにしています。

 エネルギー分野はロシアと日本との協力の主要な分野になっており、日本企業は「サハリン2」に参加していました。また「アークティックLNG2」というプロジェクトに三井物産、JOGMECが参入する重要な合意が結ばれました。それに従い、30億ドルの投資が予定されています。

 東京電力福島第1原発事故の処理のための協力も続いてますし、使用済み核燃料を第三国における共同事業などが検討中です。ハイテクの分野における2国間の交流が深まっています。日本の会社がロシアにおいては企業を建設するという合意ができて、新世代の機器の生産を軌道に乗せることを促進します。

 インフラの運用の分野では協力が進んでおり、シベリア鉄道のコンテナ配達は効率性が確認され、ヨーロッパ市場の日本製品の配達増加につながります。2020年にはロシアと日本の地域間交流年が発表されました。

 もちろん、安倍首相と平和条約問題に関する話をしました。外相同士の、簡単ではなく、センシティブな問題に関する対話も軌道に乗せたことを確認しました。その対話は続いていきますし、これからは露日関係を質的に新しいレベルにするために地道な作業を進めます。それは露日の善隣関係、信頼関係を促進し、一番複雑な問題の相互受け入れ可能な解決策を見いだすための環境づくりにつながります。この関連で南クリル諸島における共同経済活動においては、若干の進展をみました。私たちはその分野のうち2つ、つまり観光とゴミ処理のビジネスモデルで合意しました。

 国際問題のうち、朝鮮半島では今年4月にウラジオストクで行われた金正恩朝鮮労働党委員長との話について説明しました。朝鮮半島の核・ミサイル問題は平和的、政治外交的な手段のみによって解決できることを確認しました。全ての当事者の建設的な対話が必要です。それを通じて北東アジアにおける安全保障の発展を確保することができます。

 最後に、手厚いおもてなし、充実した交渉に安倍首相と日本の皆さんに感謝します。ありがとうございました」

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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