明美ちゃん基金 ミャンマー医療団が5日間の活動終了 「大人になる希望見えた」50人の子供の命救う(産経新聞)

 【ヤンゴン=吉国在、吉沢智美】国内外の心臓病の子供たちを救う「明美ちゃん基金」(産経新聞厚生文化事業団運営)の医療団は27日、ミャンマー・ヤンゴンの国立ヤンキン子供病院で9度目となる医療活動を終えた。計5日間で50人の子供を治療。患者の家族らは安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 「アメェ(ママ)」

 基金による2度目の手術を受けたトゥン・ワディ・トゥンさん(8)が27日、集中治療室で麻酔から目を覚ました。ベッド脇からのぞき込む両親の顔をみつけると、安心したのか一筋の涙が頬を伝った。

 生まれてまもなく、4つの心臓病が重なる「ファロー四徴症」という難病であることが判明した。肌は青白く、泣くと意識を失うことも度々あった。 

 「ミャンマーでは治せない」。地元ザカインからバスで片道約12時間かけ、ヤンゴンまで診察にきたが、医師から告げられたのは、つらい現実だった。

 土木工事の日雇いをする父親のソー・ミョウ・トンさん(45)の年収は、約240万チャット(約17万円)。生活がやっとで海外へ渡航して治療するゆとりはない。

 そうした中、基金による治療が2年前に決定し、疾患を完全に治す根治手術の前の準備手術を受けることができた。これにより、トゥンさんはみるみる元気に。今月26日には根治手術が行われた。母親のマ・マ・ニィさん(41)は「娘が大人になるまで生きられる希望が見えた」と感謝する。

 4人姉妹の末っ子で、甘えんぼうだけど、親戚(しんせき)が集まれば、周囲の大人相手にミャンマー語の文字を得意げに教え始めるおしゃまさん。そんなトゥンさんの将来の夢は「学校の先生になる」ことだ。

 幼くして父を亡くし、自身は十分な教育を受けられず「娘には大学へ通わせてあげたい」というマさん。「治ったら学校でいっぱい遊べるからね」と頭をそっとなでた。

 医療団に初参加した富山大付属病院の鳥塚大介医師は、「活動を通じ現地の医療技術が上がり、多くの子供の命を救うことにつながれば」と話した。



Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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