暗号資産を隠して自己破産した疑い 賠償金支払い免れる目的か

高嶋将之

 保有していた暗号資産を自己破産前に隠して債権者の債権回収を妨害しようとしたとして、警視庁は、自営業の男(37)=山梨県韮崎市=を破産法違反(詐欺破産)の疑いで逮捕し、15日発表した。暗号資産の隠蔽(いんぺい)行為に同法違反容疑を適用するのは珍しいという。

 捜査2課によると、男は昨年1月、国内の暗号資産取引所の口座に所有していたビットコインなど9種類の暗号資産(計約600万円相当)を15回にわたってアイルランドの取引所に送信して隠した疑いがある。その2カ月後の同年3月、財産が現金数万円とパソコンなどしかないとして自己破産の開始決定を受けた。

 男は以前、コンピューターグラフィックス(CG)を手がける東京都品川区内の会社に勤めていたが、退職後も当時の顧客から仕事を請け負っていたとして元の勤務先から訴訟を起こされ、一昨年の20年6月に東京高裁で約3千万円の賠償を命じられていた。男は調べに「少しでも財産を手元に残しておきたいと思った」と話しているといい、同課は賠償金の支払いを免れる目的だったとみている。

 暗号資産は男の破産管財人によって今年4月までに回収され、その価値は約1600万円まで値上がりしていたという。(高嶋将之)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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