暴力根絶へ、親にもアプローチ 桜宮事件から10年、バスケ界の試み

 大阪市立(現・大阪府立)桜宮高校のバスケットボール部主将だった男子生徒が、顧問から暴力を受けて自殺した事件から、12月で10年。日本バスケットボール協会では、暴力や暴言の根絶に向け、保護者らも巻き込んだ現場での取り組みを始めている。

 協会が例年全国9カ所で開催している小学生年代向けの指導者講習会。18日の水戸市の会場では、関東の1都7県から推薦されたコーチたちが、体育館で体を動かす実技の前に、会議室に集められた。

 講師はスポーツ心理学の博士号を持つびわこ成蹊スポーツ大教授の豊田則成(のりしげ)さん(55)。桜宮高の事件前から、部活動の体罰の実態調査や加害者・被害者の支援を続け、これまでに80件近い事例で当事者と向き合ってきた。

 受講生のコーチたちに紹介したのは、小学生の時に暴言や暴力の被害にあった大学生から聞き取った話だ。

 Aくんは小学3年のとき、強いチームのコーチに誘われ、喜んでバスケットボールを始めた。しかしチームに入ってみると、コーチはいつも不機嫌で、ミスをするたびに怒鳴られ、たたかれた。

 「指導してもらいたい」「期…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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