暴風雪に見舞われた北海道 80台以上絡む多重事故で1人死亡

【動画】北海道の暴風雪 網走では視界がなくなるほどの状態に=神村正史撮影

 発達した低気圧などの影響で、北海道内は21日、各地で暴風雪に見舞われた。吹雪が発生した場所で多重衝突事故など4件が起き、男性1人が死亡。鉄路や空路も大きく乱れた。22日も局地的に大雪になる見込みで、JR北海道札幌駅発着の全列車を始発から運休する。気象庁は猛吹雪による交通障害などに注意を呼びかけている。

 道警によると、21日の未明から朝にかけ、暴風雪が原因とみられる人身交通事故が4件発生した。

 北斗市の函館江差自動車道の北斗中央インターチェンジ(IC)―北斗追分IC間の上り線では午前7過ぎ、「多重事故が起きた」との通報が相次いだ。80台以上が絡んでおり、17人が病院に運ばれ、同市富川2丁目、大工吉田信一さん(67)の死亡が確認された。

 事故発生当時、現場付近は風雪で視界不良となる「ホワイトアウト」の状態だった。渋滞に巻き込まれた車両を含めて100台以上が動けなくなった。

 北斗市白川でも午前8時20分ごろ、乗用車2台が正面衝突したと110番通報があった。1人が病院に搬送された。

 午前4時55分ごろには当別町札幌大橋で、タンクローリーなど7台がからむ事故が起きた。30代と50代の男性2人が胸などに軽傷を負った。

 室蘭市本輪西町の国道37号では午前7時45分ごろ、乗用車同士が正面衝突。接触を避けようとしたトラックや乗用車など約10台が道路から脱輪し、渋滞が約4時間発生した。60代女性が腕などを負傷した。

 雪の影響で交通機関も大きく乱れた。

 JR北海道によると、札幌駅発着の列車を中心に計1096本が運休した。このうち札幌と新千歳空港を結ぶ「快速エアポート」は計148本だった。

 JR北は22日の運行について、札幌駅発着の全列車を始発から運行を見合わせると発表。利用客の多い千歳線の札幌―新千歳空港間の除雪作業を優先して進める。順調にいけば、同区間で昼ごろから1時間に2本程度の運行ができる可能性があるとしている。そのほかの路線の運転再開は見通しが立っていない。

 札幌駅発着の列車は、6日の大雪の際も運休や遅れが相次ぎ、運行中の列車29本が駅などで立ち往生したため除雪作業の妨げとなった。JR北は、21日は計画運休によりトラブルが起きていないとし、島田信明・運輸部長は会見で「今回はすぐに除雪に取りかかれる。(22日中の)運転再開をめざす」と述べた。

 一方、新千歳空港は21日朝から、2本ある滑走路を交互に使用しながら除雪作業を続けた。北海道エアポートによると、午後7時半現在で新千歳発着の羽田、成田、関西便など計180便が欠航。航空各社によると、22日も新千歳以外の道内発着便の一部で欠航が決まっている。天候次第で、欠航便がさらに広がる見通しだという。

 気象庁によると、21日午後5時現在の最大瞬間風速は、えりも岬42・2メートル、網走市32・9メートル、浦河町31・5メートルなど。石狩市浜益では、2月の観測史上最大となる29・6メートルを記録した。

 札幌市南区の小金湯では、6時間降雪量の最大値が29センチに達し、昨冬までの2月の最高値を超えた。このほか羅臼町で26センチ、遠軽町で25センチの雪が降った。

 札幌管区気象台によると、強い冬型の気圧配置は22日も続く見込み。同日夕方にかけて、日本海側南部を中心に発達した雪雲が流れ込み、局地的に大雪になるおそれがあるという。

 22日に予想される最大風速は日本海側で20メートル、太平洋側、オホーツク海側で20~15メートル。22日午後6時までに予想される24時間降雪量は、いずれも多い所で、日本海側50センチ、太平洋側40センチとなっている。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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