最後の「かんぽの宿」、地元資本で再出発へ 岐阜県恵那市、4月から

本井宏人

 岐阜県恵那市は13日、日本郵政が1月末に営業を終えた宿泊施設「かんぽの宿恵那」(54室)を購入し、地元資本の新会社「恵那峡リンクス」に売却すると発表した。4月18日に「ゆずり葉」としてリニューアルオープンする。

 市の購入・売却額は1億560万円で、同日に議決された。対象は、宅地約1万7千平方メートルと付近の山林、地上7階地下1階建てのべ約9千平方メートルの本館と付帯施設。

 恵那峡リンクスは昨年11月に12社の出資で設立された。「ゆずり葉」の運営は東京都の会社「女将(おかみ)塾」に委ねる。

 改装は当面、手直し程度にとどめ、従業員は「かんぽの宿」の76人中、希望した57人を引き継ぐ。宿泊料金は2人1室2食付きで1万4千~1万7千円。「かんぽの宿」より高級感を打ち出すといい、恵那峡リンクスの柄沢一樹社長(33)は13日の会見で、「地元で親しみ続けられながら、海外の観光客なども積極的に受け入れたい」と話した。

 かんぽの宿恵那は、市が土地を旧郵政省に寄付して誘致し、1965年に開業。日本郵政が2021年10月、全国33の「かんぽの宿」のうち32施設についてソフトバンク系の会社などへ売却を決めたが、恵那のみ市が土地を寄付した経緯から除外された。

 市が設けた活用検討委員会は昨年3月、地元資本の新会社が市を経由して土地と建物を購入することを提案していた。(本井宏人)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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