朝鮮人虐殺に言及の映像めぐる問題、東京都に作者「調査と謝罪を」

 東京都の委託を受けた外郭団体「都人権啓発センター」の人権企画展で予定されていた映像作品をめぐる問題で、作者で美術家の飯山由貴さんらが1日、中止された作品の上映と経緯の調査、謝罪を求める要望書を都に提出した。3万筆を超えるオンライン署名も手渡した。

 企画展は昨年8~10月に開催された。作品は、戦前の朝鮮人患者の診療録を読み解く内容。作品内で関東大震災の朝鮮人虐殺を「事実」とする歴史学者の発言について、都の人権施策の担当職員が「都ではこの歴史認識について言及していません」としたり、小池百合子知事が朝鮮人犠牲者への追悼文を送っていないことを挙げたりして上映に難色を示すメールをセンター側に送っていた。その後、上映中止が決まった。

 飯山さんによると、担当の都人権部からこれまでに経緯の説明などはないという。「人権部の対応は知事への忖度(そんたく)がある。知事は態度を省みてほしい」とし、小池知事にも要望書を提出する考えを示した。

 要望書提出を受け、都総務局の川上秀一・人権担当理事は「現時点で作品の上映は考えていない。要望をよく読んで対応を考える」と話した。飯山さんらに経緯の説明をしていないことについては「飯山さんと主催者の都人権啓発センターがやり取りを重ねて契約に至っており、十分説明をしていた」との考えを示した。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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