木を切る仕事のほうが多くても… 樹木医を支える信念

 夏休みの自由研究で「○○のお仕事」を調べたことがある人も多いのでは。記者が今年出会ったのが「樹木医」。木のお医者さんだ。どんな仕事なのか、どうやったらなれるのか?

拡大する樹木医の柿本雅子さんと、剪定に関わったイチョウの木。大分市の名木に指定されており、樹齢は約200年。見上げて指示を出すため、仕事後は首が痛くなったという=2020年3月、大分市長浜町1丁目、前田朱莉亜撮影

木が元気になるように頑張る人

 記者が春までいた大分県で昨年、8年ぶりに誕生した3人の樹木医の一人が、大分市の造園会社「栗木精華園」に勤める柿本雅子さん(44)だ。

 「樹木医は、木の健康を守り、木が元気になるようにがんばる人です」

 樹木医は勝手に名乗れる仕事ではなく、認定制度がある資格だ。1991年、巨樹や名木の健康状態を守る人材の育成などを目的に、林野庁の補助事業として始まった。公園の年間管理や街路樹の剪定(せんてい)といった、公的な仕事にも携わる。資格の審査や認定は、現在は一般財団法人「日本緑化センター」が引き継ぎ、これまで2983人が認定されている。

拡大する日本樹木医会大分県支部が開いた研修で、樹木を診断する参加者ら=昨年9月、同支部提供

 柿本さんは子どものころから自然が大好きで、環境保全にも興味があったという。静岡大学では環境保全サークルに入った。卒業後は静岡で就職したが、「木を植えたい」という思いを捨てきれず、30代で生まれ故郷の大分に戻り今の会社へ。樹木医だった先代社長に憧れ、自分もと挑んだ。

 だが、簡単にはなれない。

 まず、試験に応募するには樹木…

2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment