来たれ警察庁、キャリアを中途採用へ 初の試み「多様な人材確保へ」

 警察庁は5日、国家公務員総合職(キャリア職員)の中途採用を初めて実施すると発表した。将来、警察本部長なども務める幹部候補として、警視か警部の階級で来年春に採用する。11月から受け付けを始める。

 キャリア職員の中途採用は他の中央省庁では以前から行われてきたが、警察庁は警察特有の研修や都道府県警での現場経験が必要で、「組織への定着が難しく、中途はなじまない」(幹部)と、導入してこなかった。しかし、「厳しい治安情勢や複雑化する犯罪に対応するため、多様な人材を確保する必要がある」として方針を変えた。

 対象者は大卒か大学院修了で、年齢制限はない。民間企業や国際機関などで7年以上の勤務経験がある人を課長補佐(警視)級、同じく2年以上の人を係長(警部)級として若干名を採用する予定。11月の受け付け後、12月から書類選考、論文試験、面接試験を行い、来年2~3月に合格者を決める。来年4月1日に警察官か技官として採用する。

 現在の警察キャリアは国家公務員試験の合格者で、警察官は警部補として採用される。警察大学校で拳銃の取り扱いなどを含む研修を受けたあと、都道府県警の警察署などの現場で実務研修を受け、2年目に警部に昇任。その後3年ほどで警視に昇任し、しばらくして課長補佐になる。その後、警視正、警視長、警視監と昇任していく。

 中途採用者も現場で研修を受けるが、期間や内容はこれまでの社会人経験に照らして検討する。民間などでの勤務期間を換算し、新卒で入庁した同年齢のキャリアと同等の勤務年数、経験があると位置づけるという。キャリアの中途採用は今後も続けていく考えだ。

 中央省庁のキャリア職員の中途採用では、人事院が主催し各省庁が採用を決める制度もあるが、警察庁はこれまで活用してこなかった。

 警察庁の幹部は「民間で得た知見を強みに活躍することを期待している。志や情熱を持つ人に積極的に応募してほしい」と話す。(編集委員・吉田伸八

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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