東広島市の土砂流入、2人死亡確認 「息できん」訴え

 降り続いた大雨で、広島県内では住宅の裏山が崩れて親子2人が土砂に埋まり、現場から男女2人の遺体が見つかった。

 同県東広島市河内町宇山で14日午前6時ごろ、「斜面が崩れた」と、近所に住むとみられる女性の声で119番通報があった。この住宅に住む倉兼(くらかね)千代子さん(84)と息子の茂実(しげみ)さん(55)が1階部分で土砂に埋まった。

 同市によると、住宅は木造2階建て。近所に住む男性(74)によると、119番通報したという女性から連絡を受け、午前6時すぎに現場に駆けつけた。住宅に土砂が流れ込んでいたが、1階部分はまだつぶれておらず、茂実さんが首まで泥に埋まった状態で「しんどい、助けて」「息ができんようになる」と訴えていたという。

 この近所の男性が泥をかき出そうとしたが、救助隊に促されて現場を離れた。その後、住宅の土台の石垣が崩れ、1階部分が押しつぶされたという。茂実さんの声は聞こえなくなったという。

 救助隊は午後0時半ごろ、土砂に埋まった男性を見つけたが、問いかけには応じず呼吸もない状態だった。午後6時25分に死亡が確認された。男性は茂実さんとみられる。

 一方、午後2時半ごろには「3回たたいてください」との呼びかけに、崩れた住宅の1階部分から何かを3回たたく音が返ってきたという。千代子さんとみて救助を続けていたが、午後11時50分すぎ、千代子さんとみられる女性の死亡が確認された。

 東広島市によると、同市河内町宇山では13日未明の降り始めから14日午前6時までの降水量が計152ミリだった。(東谷晃平、西晃奈)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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