柳川藩伝来、国宝の刀など含む5千点を移管 国元離れ「苦渋の決断」

 福岡県柳川市の立花家史料館が、収蔵する全ての美術工芸品を、小郡市にある県立九州歴史資料館に移管した。旧柳川藩主・立花家に伝わる貴重な品々で、国宝の刀なども含め計約5千点にのぼる。収めていた蔵の劣化に財政難が重なったためで、展示は続けるが、植野かおり館長は「貴重な品々が柳川を出るのは恐らく初めてで、苦渋の決断」と説明する。

 館は国指定の名勝・立花氏庭園の敷地内にあり、立花家17代当主の宗鑑(むねあき)さんが理事長の公益財団法人「立花財団」が運営。工芸品は、国宝「吉光の短刀」や重要文化財「長光の剣」、初代藩主・宗茂の甲冑(かっちゅう)、茶道具、書画など多岐にわたる。

 旧大名家の収蔵品は、明治維新や第2次世界大戦前後の混乱などで流出することも多かったが、立花家は伝来の品々を国元の柳川で守り続け、散逸を防いだ珍しい例とされる。

 だが、収蔵庫は明治~大正期…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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