株買い取り、SMBC日興の「不思議な」強さ 証券関係者が語る疑惑

 執行役員ら4人が逮捕される異例の事態となったSMBC日興証券の相場操縦事件。逮捕から一夜明けた5日、同社の近藤雄一郎社長は会見で深々と頭を下げた。同社は過去にもインサイダー取引で逮捕者を出しており、容疑が事実なら再び市場を裏切る行為で、さらなる信頼失墜は避けられない。

 「市場の信頼を裏切るようなことになり、公正な市場の維持を担うべき証券会社として、非常に反省している」

 5日午後、東京都内で開かれたSMBC日興の記者会見。近藤社長は謝罪を繰り返す一方、組織的な関与など事件の詳細に質問が及ぶと回答を避けた。結局、会見では、焦点の一つである組織的な不正だったかは分からなかった。

 問題になったブロックオファーという取引は、企業の大株主などが大量の保有株を一度に売却する際に用いる。そのまま市場で売り注文を出すと株価が崩れるため、証券会社がいったん買い取り、一定の割合を差し引いて取引時間外に個人投資家らに売却する。大株主は株価への影響を抑えて売却でき、投資家は市場より安く株が買える。

 証券関係者によると、大手証券では一般的な取引で「数年前からはやっている」という。背景に考えられているのは、持ち合い株の解消だ。

 日本では企業が互いに株を持…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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