梶山弘志氏、経産相就任で問われる真価(産経新聞)

 公選法違反疑惑で経済産業相を辞任した菅原一秀氏の後任に、自民党茨城県連会長の梶山弘志氏(衆院茨城4区)が就いた。台風19号で甚大な被害を受けた同県北部を地盤とする梶山氏の就任に、地元には復旧の牽引(けんいん)役を期待する声が根強い。地方創生担当相などを経て当選7回で初めて主要閣僚に名を連ねた梶山氏にとって、真価を問われる局面を迎える。

 梶山氏は30日、台風19号で被災した同県常陸太田市を訪れ、被災企業の視察や地元首長との意見交換に臨んだ。

 「視察」とはいっても、常陸太田市は梶山氏の出生地。意見を交わした大久保太一市長、大井川和彦知事らとは勝手知ったる仲だ。

 「中小企業政策に責任を持つ経産相として、被災事業者が事業継続できるかどうかの観点での支援に力を入れる」

 自身も中小企業経営者の経験を持つ梶山氏は、記者団にこう強調した。

 災害復旧が喫緊の課題として突きつけられる中、地元選出の梶山氏が関係閣僚に就いたことへの期待は大きい。梶山氏の元秘書は「経産相は以前から梶山氏が望んでいたポストだった」と明かす。

 党県連の束ね役としての梶山氏は、組織運営に大きな失点はなく、所属地方議員らの信頼も厚い。

 今夏の参院選茨城選挙区(改選数2)の人選をめぐっては、党本部側で浮上した「2人目擁立論」を押し切り、現職候補1人に絞る決断を主導した。支持者の奪い合いが過熱することによる党組織の亀裂を避けた判断は「勇気をもらえる英断」(県連関係者)と肯定的に受け止められた。

 大井川氏が初当選した平成29年の知事選で、菅義偉官房長官や自民党幹部を応援に呼び込んだ力も評価されている。

 ただ、実直な仕事ぶりには定評がある半面、突出した存在感や実績が不足していることも否めない。

 地元では、菅氏も「政治の師」と仰いだ父の梶山静六元官房長官の残像がなお鮮烈だ。ある支援者は「静六氏と比べると存在感が足りない」と率直に語る。

 自らの地盤が未曾有の災害に襲われたタイミングで就いた経産相の在任中は、静六氏と肩を並べる政治家に脱皮できるかを問われる正念場になりそうだ。

(永井大輔)

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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