検察側証人で漁協幹部が出廷、弁護側が異議 工藤会裁判

 四つの市民襲撃事件で殺人罪などに問われている指定暴力団・工藤会トップの総裁野村悟(73)、ナンバー2の会長田上不美夫(63)の両被告の第11回公判が11日、福岡地裁であった。1998年の元漁協組合長射殺事件の審理の一環で、元組合長のおいにあたる市漁協幹部の男性が、検察側証人として証言した。

 男性は、元組合長の実弟で2013年に射殺された北九州市漁協組合長(当時70)の息子。別室からの「ビデオリンク方式」で証言した。

 それによると、12年に、組合長が暴力団を批判するインタビュー記事が雑誌に出た。男性は父親の組合長に「あんまり目立つことはしないように」と忠告すると、「事実を言ったまで」と返されたという。組合長は13年12月20日に射殺され、福岡県警が捜査しているが、容疑者は逮捕されていない。

 弁護側は「解明されていない事件で両被告には無関係。立証趣旨と違う」と異議を述べ、検察側は「背景を立証するために必要」と反論した。足立勉裁判長は異議について、一部を「意見は承る」としたが、おおむね棄却した。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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