様々なハラスメントへの対処 不可欠なエンパシーの力

コラム「憲法季評」 法哲学者・松尾陽さん

 CMやポスターがセクハラだという批判が生じ、それに対する反論も巻き起こり、インターネット上で激しく「炎上」することがある。

 2019年には、胸の大きな女性キャラクターを用いた献血を呼びかけるポスターが「環境型セクハラ」だと批判された。直近では、大学の公開講座で女児の残虐な絵を用いた授業内容などが裁判所によりセクハラだと認定された(もっとも、受講生に対する、事前の説明不足という問題もあった)。

まつお・よう 1979年生まれ。名古屋大学教授。編著に「アーキテクチャと法」。

 セクシュアルハラスメントという言葉が有名になったのは、1989年に起きた、ある女性の退職をめぐる裁判がきっかけである。男性上司が部下の女性について「女の武器を用いて仕事をとっている」などの発言を職場で繰り返し、その女性を退職に追い込んだ。裁判所によって、名誉感情などの人格権を害すると明確に認定された。ハラスメント(嫌がらせ)と形容するのは、生ぬるいかもしれない。

 しかし、この事件をめぐっても…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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