歌舞伎町火災で亡くなった娘 残した幼子、22年経て知った母の思い

 東京・歌舞伎町で2001年に起きた火災で、新潟県佐渡市の小杉三船(みふね)さん(73)は次女(当時23)を失い、次女が残した幼子を育ててきた。次女によく似たその子は26歳になり、母になった。あの日から22年。2人は怒りと疑問を抱えながら、前を向いて歩いてきた。

 小杉さんの次女、千帆さんは佐渡島で生まれ育った。4人きょうだいの末っ子。猫が好きで、自分の給食をこっそり持ち出して野良猫にあげる優しい子だった。

 地元の中学を卒業し、富山県の紡績工場で働きながら定時制の高校に通った。やがて女の子を授かり、結婚。20歳になると、動物病院の看護師になることをめざし、東京へと向かった。

 千帆さんから「歌舞伎町のキャバクラで働く」と伝えられた時、小杉さんは反対した。ただ、「学費を稼ぐための手段だから」と言われ、その思いを尊重した。

「あなたが残した命だけは」 火葬場で誓った母

 01年9月1日の朝。勤務先…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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