殉教者描く90年前の映画、教会で上映 活動弁士の語り・生伴奏も

寺崎大

 無声映画「殉教血史 日本二十六聖人」が4日、東京・麴町の聖イグナチオ教会で上映された。バチカンにある日本関連の歴史資料を研究する「バチカンと日本 100年プロジェクト」(主催・角川文化振興財団、共催・朝日新聞社)の関連イベント。活動弁士の澤登(さわと)翠(みどり)さんの語り、楽団カラード・モノトーンの生伴奏とともに、約300人が鑑賞した。

 映画は豊臣秀吉時代の1597年、長崎市・西坂の丘で殉教したカトリック信者を描いている。片岡千恵蔵山田五十鈴らが出演し、現在の貨幣価値で約6億円の私財が投じられた。約90年前の公開当時、全米200カ所、約15万人が鑑賞したと言われる。

 ローマ教皇庁駐日大使のレオ・ボッカルディ大司教はあいさつで、制作方法について「現代と比べると大変つつましい。何よりもカメラが常に固定されていることが特徴だ」と解説。映画の意義を「舞台は壮大で、西洋の視聴者にとって当時あまり知られていなかった異文化を知ることができるものになっている」と強調した。

 会場を訪れた東京都稲城市の加藤磨珠枝さん(56)は「ストーリーと時代劇の両方の観点で興味深い映画。聖書に出てくる話がベースになっている箇所が随所にあった」と話した。(寺崎大)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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