殉職したあの消防士の分まで 「大槌のお調子者」が目指す救急救命士

 成人式が9日、岩手県内各地で行われた。昨年はコロナ禍のため中止した式典を開いた自治体が多く、晴れ着姿の新成人たちは決意を新たにした。

 県教育委員会によると、2021年度の新成人は、男性6202人、女性5994人の計1万2196人(昨年6月時点)。

 盛岡市は、昨年オンラインだった式典を、今年は盛岡タカヤアリーナ(盛岡市本宮5丁目)で開催。「晴れの場と感染予防を両立したい」として、入場は新成人に限り、式の模様を後日、市のホームページで配信する形を取った。

 昨年度式典を中止した八幡平市は、午前に21年度の成人式を行ったあと、午後から20年度の成人式の代替行事を開いた。

 その他、奥州市など県南や大船渡市など沿岸でも式典があった。

 大槌町であった成人の集いには、純白の羽織に名前入りの扇子を手にした斉藤和希さん(20)の姿があった。やんちゃなお調子者で通っているが、東日本大震災で殉職した消防士の思いを受け継ぎ、「救急救命士になりたい」との真っすぐな目標を胸に出席した。

 小さいころから、テレビ番組で見た救急救命士にあこがれていた斉藤さん。夢をめざす第一歩になったのが、若い消防士との出会いだった。小学2年のときに町内であった「救急の日」のイベントで、目を輝かせて救護の講習を見ていた自分に優しく説明してくれただけでなく、特別に消防署に招待してくれた。

 その1年半後、震災が町を襲…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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