殺された洋菓子店員、両親の後悔 苦しむ娘見てきたのに

 東京都中野区のアパートで8月30日に住民の女性(当時38)が殺害された事件。自分の洋菓子店を開くのが夢で店員として経験を積むさなかだった。両親は、殺人などの容疑で書類送検された男(死亡)との関係に苦しむ娘を見てきた。引っ越しをさせていたら、違う道に進ませていたら……。後悔がにじむ。

 殺害されたのは東京・阿佐ケ谷で育った野口麻美さん。菓子作りが大好きで、幼い頃から母の和美さん(68)の手を借りてキッチンに立った。1人で作れるようになると、夜遅くまでクッキーを焼いて友人に配った。

 大学では油絵を専攻。卒業後は都内のキャンディー店に就職した。SNSに「キャンバスよりも食をアートに捉えるところが強くある。(就職は)自然だったのかな」とつづっていた。菓子の魅力については「人を笑顔にしてしまう癒やしのパワーがある」。10年以上、店で売り子として努力を続けた。

 2016年、同僚だった高橋宏征容疑者と交際。麻美さんは照れながら和美さんに「ケーキを焼いてもらった」と打ち明けた。「何でも相談に乗ってくれる」「優しい」とも話していた。

拡大する生前の野口麻美さん。事件後に友人らが作成したアルバムに収められた一枚=遺族提供

「笑顔でいるのがつらい」と

 ただ、高橋容疑者はすぐにカッ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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