殺害のラーメン店長、上半身に傷多数 発見時には「臨時休業」の看板

手代木慶 中村英一郎 阿部育子

 京急上大岡駅(横浜市港南区)近くのラーメン店で、店長の大橋弘輝さん(33)=同区=が血を流して倒れているのが見つかり、死亡した事件で、遺体には上半身を中心に刃物による多数の傷があったことが県警への取材でわかった。店内には争った形跡もあることから、神奈川県警は殺人事件とみて捜査。司法解剖して死因を調べるとともに、店内に不審な人物の出入りがなかったか、防犯カメラ映像などで調べている。

 県警などによると、15日夜、連絡が取れないことを心配した親族が店に駆けつけ、店内で血を流して倒れている大橋さんを発見した。「背中と腹部を複数刺され、血が大量に出ている」と119番通報があり、病院に搬送されたが、死亡が確認された。当日昼は営業していたが、発見時、店頭には「臨時休業」の看板が出ていたという。

 店は駅から約100メートル。居酒屋やスナック、パチンコ店などが立ち並ぶ繁華街の一角にある。大通りから奥まった道沿いで人通りは多く、車の抜け道にもなっているという。

 複数の利用客によると、大橋さんの店の営業は基本的に1人で、時間帯によって店員は交代していたようだ。ラーメン1杯500円のキャンペーンを企画するなど、「すごく頑張っていた」と話す人もいた。

 近くの飲食店で責任者を務める男性(48)は「ニコニコした気さくないい青年。悩みがある雰囲気は感じなかった。同じ業界でがんばろうと思っていた」と話した。

 毎週店に通い、大橋さんの家族も知るという南区の女性(69)は夫(81)と現場近くに花を供え、手を合わせた。大橋さんは女性を「お母さん」と呼び、慕っていたという。「人に恨まれるような子じゃない。本人も家族もかわいそう。犯人が許せない」と涙ぐんだ。(手代木慶、中村英一郎、阿部育子)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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