水がない避難所での歯磨きどうすれば 耳もむのも効果が

台風19号支援通信

 避難所で歯ブラシがなかったり、断水していたりする場合、歯磨きはどうしたらいいのか。

 日本歯科医師会によると、歯ブラシがない場合は「食後に少量の水やお茶でブクブクうがいをする」「ハンカチやティッシュで汚れをとる」などの方法がある。東日本大震災の被災地支援を続け、高齢者歯科が専門の飯田良平・鶴見大学歯学部非常勤講師は「ティッシュなどを水でぬらしてもいいが、ぬらさなくても細菌の発生を抑える効果はある」と話す。

 「耳の下やあごの下を手でもみ、唾液(だえき)を出しやすくする」ことも効果的だ。唾液は口の中をきれいに保つ働きがあるからだ。「よくかんで食べる」だけでも唾液が出てよいのだという。

 慣れない避難生活のストレスで抵抗力が弱まって、虫歯などは悪化しやすい。口の健康は、体全体の健康に影響する。

 「特に要介護の高齢者は、(口の中の汚れが原因で細菌が肺に入る)誤嚥(ごえん)性肺炎になりやすいので要注意」と飯田さん。こまめにテッィシュなどでぬぐうことを勧める。

 日本歯科医師会は避難所掲示用のポスター(https://www.jda.or.jp/park/disaster/poster.html#1)を作成している。動画でも「日本歯科医師会 災害時の歯みがき方法」と題して、ユーチューブで見られる。

 飯田さんによると、水のいらない歯磨きシートや、専門的な口腔(こうくう)ケアのティッシュが販売されているという。「これだけ災害がいつ起きてもおかしくない世の中なので、これからはそうしたものを持ち歩いた方がいいかもしれない」と話している。(佐藤陽)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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