水商売学ぶ高校生らの青春小説「都立水商」 新シリーズへ著者の思い

 山口県光市の作家・俳優の室積光さん(67)の小説で、水商売を専門に勉強する高校を舞台にした「都立水商」の新シリーズが相次いで刊行された。新型コロナ下の学校生活が描かれ、様々な問題を抱えた生徒たちが、コロナに立ち向かいながら自分の居場所を見つけ、成長していく奇想天外な青春コメディーだ。

 シリーズ1作目の「都立水商!」は2001年刊行で、室積さんの小説デビュー作。東京・新宿の歌舞伎町に設立された水商売専門の架空の「東京都立水商業高校」が舞台で、マネージャー科やホスト科、ホステス科、ゲイバー科などで「専門知識」を学ぶ。コミック化やテレビドラマ化もされた。累計で小説が12万1千部、コミックスが253万7千部のロングセラーとなっている。

 19年5月に続編の「都立水商1年A組」を出版した。いじめが原因で学習意欲をなくし、マネージャー科に嫌々進学した男子生徒が主人公。昨年12月に「都立水商! 2年A組」、今年1月に「都立水商3年A組 卒業」を続けて刊行し、主人公の3年間の高校生活を完結させた。

 2年生以降の新シリーズでは、コロナが重くのしかかる。修学旅行は中止になり、クラスターも発生する。水商売と夜の繁華街が目の敵にされる中で、生徒たちは「すべての人にへりくだる心、人を見下さない」という接客の精神を学んでいく。

 生徒が主体になって学校行事をオンラインで開催する一方、野球部やバスケットボール部は大会で活躍する。「誰かを、何かを、恨んだら負けだ」「世界中の人々がウィルスと戦い、日常生活で何かを犠牲にして耐えた。その時代を生きたんだ」という先生の言葉が主人公の心に響く。

 先輩や先生の導きで主人公は…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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