波乱の30代、どウツに それでも服作る元カリスマ店員

 忙しくて、気分が憂鬱(ゆううつ)で、毎日の服選びが面倒。そんな時も、なるべく手抜きには見られたくないものです。ギャルファッションが流行した時代に「渋谷109」のカリスマ店員として注目された森本容子さん(41)は、今もショップチャンネルで人気のブランドを経営。「手抜きに見えない手抜き服」にこだわってきたと言います。

 森本さんは1990年代末、当時ギャル文化の聖地だった「渋谷109」で、カリスマ店員としてテレビや雑誌で注目された。でも、当時着ていた服は「非日常だった」という。「私、普段はこんな派手な服着ないな……。そんな感覚がずっとあって」。20代後半で起業し、自身のブランド「カリアング」を立ち上げた。

 森本さんのこだわりは「シンプルで着心地がいい。手を抜いているのにおしゃれ」。黒、白、カーキなど着回しが利き、デニムと好相性の色が中心だ。

 裁断、縫製にも「着やせ」のための工夫を盛り込む。そこが、多くの人に買ってもらうために「平均的に作ってある」大手量販店の服との違いという。

 「コーディネートが面倒」「他人とかぶるのもイヤ」「体形を隠したい」……。悩みの種が尽きない同世代を励ましてきた。こうした服作りへの姿勢は、今も変わっていない。

 30代は波乱続きだった。「会社のお金を横領され、私生活では離婚。自分の力ではどうにもできないことばかりで救いがない。うつ状態でした」。その後、流産の手術を3度経験。昨年12月に長男を出産した。

 会社も一時は苦境に陥ったが、ネット販売や通販番組に活路を見いだす。2017年に誘いを受けて始めたテレビ通販番組「ショップチャンネル」は森本さん自身が出演し、デザインが体形をどうカバーするかを解説。同世代だけでなくその母親世代の支持も得た。

 「母と同じくらいの世代の女性で、カッコいい、カワイイ着こなしの人を見かけると、元気になれる。私もそういう風に年を重ねていけたらと思っているからでしょうね」


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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