泳ぎはカリブ海で学んだ セントビンセント初のパラ選手

 右足をドルフィンキックのようにしならせながら懸命に水をかいた。50メートルのプールで泳ぐのは、この東京パラリンピックの舞台が2度目。中米カリブ海にあるセントビンセント・グレナディーン初のパラ選手、デクスロイ・クリーズ(36)は、29日の男子50メートル自由形(運動機能障害S9)の予選で自己ベストを5秒以上更新する泳ぎを見せた。

 生まれてすぐに左足を付け根から切断した。出生時の事故が原因と聞かされた。幼い頃、母はどこへでも背中におぶって行った。でも自分で歩きたかったし、何でもほかの子どもと同じことがしたかった。畑の木に登っては叱られた。

 人口11万人の小さな島国。子どもたちの遊び場はもちろん海だった。「いつかは泳げるようにならなければ」といつも一人、砂浜から海を眺めていた。

 子どもたちは皆、高い岩の上…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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