津波で88人が犠牲の施設 居合わせた父の最期を知り、背を押された

 なんとなくつけたテレビドラマが、父と子の絆を描いていた。内舘伯夫(みちお)さん(46)=岩手県山田町=は画面を消した。震災から12年になる今も、父のことをふと思い出すと、目頭が熱くなる。

 車に乗り込み、ゆっくり町を走る。震災の慰霊塔と観音様を掃除すると気持ちが落ち着いてくる。父が好きだった缶コーヒーを置き、手を合わせた。

            

 2011年3月11日、歯科医師の内舘さんは海沿いにある介護老人保健施設「シーサイドかろ」を診療のため訪れた。近くの自宅兼診療所に戻るとまもなく、ドンと大きな揺れに襲われた。

休みのはずだったの父、職場へ……

 「津波が来る」…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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