津波に流されても…復活願う名産の干し芋 「ここは離れられない」

 能登半島地震で津波の被害に遭った石川県能登町白丸地区。6日、海岸線を歩くと、壁が津波で流され、筒抜けになった建物があった。近くにいた持ち主の男性に話を聞くと、建物は町名産の干し芋をつくる作業場だったという。

 地震当日、男性は作業場前に止めていた軽トラックの近くで大きな揺れに襲われた。トラックにつかまったが、その場に立っていられなかった。津波の危険を感じ、作業場にいた妻と近くの高台まで走って逃げた。津波が作業場を襲うまで「体感で20分くらいしかなかった」という。

 海岸から150メートルほど離れた自宅には、床下まで津波が到達した。電気、ガス、水道が断たれた中で、妻と過ごしている。

 地区は壊滅状態にあり、再建の見通しは立たない。ただ、男性は江戸時代から続くという干し芋づくりを復活させたいという。「受け継がれてきたものだから。子どもや孫が帰る場所を残してやりたいから、ここは離れられない」(田辺拓也)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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