流された自宅「今は忘れよう」 被災4日後、理髪店再開

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宮坂知樹、高嶋将之

 静岡県熱海市伊豆山(いずさん)の土石流で自宅を失った夫妻は、被災から4日後、市中心部で営む理髪店を再開させた。心配してくれた常連客との再会がうれしい。災害後の緊張感がまだ漂う中、仕事場は災害前の日常を取り戻せて前向きな気持ちにさせてくれる場所だ。

 理髪店は市中心部のJR熱海駅近くにある「イワオ理容室」。斉藤巌さん(83)が、妻の春美さん(76)と長男(48)と切り盛りする。54年前に始めた老舗店だ。

 春美さんは3日午前10時半ごろ、自宅がある伊豆山の近所の人から電話をうけた。「近くの家が土石流で流された。危ないから戻ってこない方がいい」。テレビニュースの空撮映像をみると、自宅のある一帯すべてが土砂に埋もれているように見えた。

 2人はその晩から、店の上に住む長男宅で寝泊まりする暮らしに。長男のもとに、消防団や復旧工事に入った友人らから、自宅があった場所の写真が送られてきた。3階建ての自宅は跡形もなくなっていた。

 25年ほど前、いまは長男が…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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