流れにのまれ離してしまった娘の手 長くつらい夜の後に

 台風19号の影響で、阿武隈川の増水で中心部が1メートル以上浸水した宮城県丸森町。避難した人たちが緊迫の一夜を語った。

 12日午後8時半ごろ。同町の介護職員安達真理さん(47)は自宅前の水かさが増し、娘の希果(まどか)さん(20)と車で実家に向かった。すぐに水が押し寄せ、ドアは開かず、あわてて窓から屋根に上った。どこを見ても水。遠くに役場の光が見え、反対に流されていく。

 希果さんと手を握って泳いだが、流れにのまれた。両手で水をかき、「ママー」と呼ぶ声に「まどかー」と返す。雨音にかき消され、やがて声が聞こえなくなった。

 2時間ほど仰向けに浮いていると、体に電柱が当たり、しがみついた。

 片手に足のようなものがあたり…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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