浜松市教委のいじめ調査「不適切」 第三者含まれず「国の指針逸脱」

 【静岡】浜松市の市立学校で起きたいじめ事案について、同市教育委員会が2018年にいじめ防止対策推進法が定める「重大事態」と認定しながら、適切に調査しなかったことが分かった。鈴木康友市長の諮問を受け、当時の市教委の対応を調べたいじめ問題再調査委員会が22日、「国のガイドライン(指針)の手順を踏まえておらず、不適切」とする報告書をまとめ、答申した。

 報告書によると、市教委の調査は、市教委や生徒が在籍していた学校関係者のみで行われ、第三者は含まれていなかった。再調査委は「公平性・中立性が担保されておらず、国の指針から大きく逸脱している」と指摘した。

 また、重大事態と認定しながら市長への報告まで半年かかったことも、「速やかな市長への報告」を求める指針に反するとした。被害者に対して調査開始や内容の説明が適切に行われていないことも、問題視している。

 市教委は18年春、「女子生徒が同級生からいじめを受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症している」との情報を受けた。保護者はいじめの調査を求めたが、被害生徒や関係する生徒への聞き取りは十分に行われず、20年1月に「具体的な内容を明らかにできなかった」との報告書をまとめた。市は報告書を公表していない。

 同年3月、鈴木市長は、第三者による調査を求める保護者の意見などを受け、弁護士や精神科医ら5人で構成する再調査委に、市教委の対応などについて調査を依頼した。再調査委は、小学校1年から中学1年まで、持続的にいじめを受けていたと認定。女子生徒は中学校を転校して不登校になり、その後、自殺未遂を図るなどした。

 再調査委の鈴木敏弘委員長(…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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