港にバス125台 インバウンド最前線でみた「ひずみ」

 ここ何年かで、インバウンド(訪日外国人客)が飛躍的に増加しています。背景には、観光立国をうたう政府によるビザ緩和など受け入れ政策があります。特に九州の玄関口・福岡には、韓国や中国からの観光客が押し寄せています。この夏、インバウンドの最前線を取材しました。

大型船から大勢の中国人観光客

 私は5月に鳥取から転勤で福岡に来ました。驚いたのが、外国人観光客の多さ。人気ラーメン店の前にできた行列も、ディスカウントストアから買い物袋を提げて出てきた集団も、多くは韓国や中国から来た人たちでした。

 最前線で何が起きているのか。それを知りたくてまず、入国の現場に足を運びました。

 クルーズ船の寄港回数が4年連続で日本一という博多港。7月11日朝、大型船から下りてきた大勢の中国人観光客らが、港に待ち構えた125台の観光バスに乗り込んでいく様子は圧巻でした。話を聞けた中国人観光客は「ラーメンを食べたい」「化粧品など買い物を楽しみたい」などと、福岡観光に胸弾ませていました。

受け入れ側も外国人

 受け入れる日本側の人たちも取材しました。

 福岡発祥の豚骨ラーメン店「一蘭」の広報担当者は「外国人のお客様は非常に増えており、9割を占める店舗もある。大変ありがたく感じている」。福岡県太宰府市の太宰府天満宮参道にある菓子販売店の店長は、梅雨の時期は日本人客が落ち込むことから「(外国人客の訪問は)非常に助かっている。本当は閑散としている時期なので、もてなしがいがある。減ってしまうと困ります」と話しました。

 興味深かったのは福岡随一の繁華街・中洲にある屋台「中洲十番」の店主、田中博臣さん(46)の話。この屋台は客の約半数が外国人ですが、働いているスタッフの中にも留学生などの外国人がいます。「両方欠かせない存在になっている。外国人がいないと成り立たない」と田中さん。福岡にやって来るのも外国人、受け入れるのも外国人――。驚きました。

■トラブル…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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