熱気は紅白以上? 「埼玉の奇祭」政財界人チャリティ歌謡祭の現場

 11月下旬の土曜日。寒空のもと、JR南浦和駅近くのさいたま市文化センターに、続々と人が集まってきた。

 誰かの似顔絵イラスト入りのうちわや、ペンライト、名前が書かれたのぼりを手にしている人もいる。

 有名歌手のコンサートではない。約1900人が客席で待ちわびていたのは、テレビ埼玉が毎年、元日夜に放送している名物番組「埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」(元日午後7時~同9時半)の収録だった。

 出演者は、県知事や市長、地元企業の社長など。ローカルな顔ぶれにもかかわらず、毎年のように県外の視聴者も巻き込み、インターネットで「埼玉の奇祭」などと話題になる。

司会は堀尾正明さん

 私たちもホールに入り、その現場を目撃した。

 企業や自治体ごとに、応援に来た人が集まって座っている。企業の関係者や、政治家の後援会や地元の人たちなどさまざまだ。

 客席の明かりが落とされ、ステージでバンドの生演奏が始まった。

 「皆様、明けましておめでとうございます!」

 NHK紅白歌合戦で総合司会を務めたこともある、フリーキャスターの堀尾正明さんが開幕を告げた。堀尾さんは県内屈指の名門・県立浦和高校の卒業生だ。

 トップバッターは、東京ガスネットワーク埼玉支社の支社長。同社は前回まで東京ガス埼玉支社として、毎年のように支社長が歌を披露してきた常連だ。

 今回は、今年就任した細田千恵支社長が、緊張の面持ちで「さくら(独唱)」(森山直太朗)を歌った。上下とも会社の制服姿。バックダンサーの社員たちは、社のロゴマーク入りの白いポロシャツ姿だ。

 客席の応援団はペンライトを振り、花道では社名入りの横断幕が掲げられた。

 広くヒットした歌を選ぶ人が多いなか、オリジナル曲や、埼玉ならではの曲を歌う人もいる。

知事も、議長も、市長も、社長も「みんな笑いものになる」。そんな恒例行事の魅力に迫ります。

 中屋敷慎一・県議会議長は「…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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