特殊詐欺、ベンツが「走る拠点」に? 首都高PAの車内に名簿も

加治隼人

 ギャンブル詐欺に関与したとして、福岡県警などの合同捜査本部は18日、東京都港区西麻布4丁目、不動産会社代表取締役の松田安弘(40)、横浜市青葉区荏田西2丁目、職業不詳の大園巧聖(24)両容疑者を詐欺容疑などで逮捕したと発表した。県警は2人が車で移動しながら詐欺電話をかけていたとみている。

 捜査2課によると、両容疑者は何者かと共謀し、10~11月、東京都周辺で、大阪府の80代女性に複数回架電。競馬の払戻金がもらえるとうそを言い、現金約70万円を指定口座に振り込ませ、だまし取った疑いなどがある。県警はいずれの認否も明らかにしていない。

 県警は別の特殊詐欺事件の捜査から、大園容疑者の行方を追っていた。今月17日正午ごろ、首都高速パーキングエリアにベンツを止め、2人が車内で電話をかけている様子を捜査員が確認し、車内を捜索した。

 車内からは約100人分の電話番号などが載った名簿を押収。2人はベンツで首都圏を転々としながら、駐車場などから詐欺電話を繰り返していたとみられる。捜査2課は「捜査の手を逃れるため、常に移動できる車を拠点にしていたのではないか」としている。

 県警によると、2020年に全国で摘発された特殊詐欺の拠点は計30件。ホテルやオフィス、民泊などだが、車を拠点とした事案が1件だけあった。容疑者の居場所が絶えず変わるため、実態把握が難しい手口の一つだとしている。(加治隼人)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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