玄関のドアを開けるその音が、2人は「ふうふ」と思える瞬間

 月曜日の昼。都内の1LDKの台所から笑い声が響いた。

 「レタス、ちぎっておいて」。不動産会社に勤めるReyan(れーやん)さん(23)は手際よく鶏肉を焼きながら、隣に立つU(ゆー)さん(28)に声をかける。「どこに盛りつけるの?」とぎこちない手つきで葉をちぎるUさんに目をやり、吹き出した。「そんなにいらないよ」。Uさんもつられて笑った。

 一緒に暮らして4年。同じ会社に勤務する今も、笑いが絶えない。できあがったばかりの昼食をダイニングテーブルに並べると、ReyanさんのサラダにUさんがドレッシングをかけた。「あっ、ありがとう」。こまやかな気遣いがうれしい。

 何げない日常。でも、特別な感情に包まれる。

 Reyanさんは性別にとらわれず人を好きになる「パンセクシュアル」。Uさんは女性を好きになる「レズビアン」。それぞれそう自認する女性同士のカップルだ。

 2人は地方の出身。地元で過…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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