理由のない幸せが怖かった 「ご自愛」への罪悪感を消してくれた言葉

 自分を大切にして、という意味で使われる「ご自愛ください」。

 漫画家の竹内絢香さんは、コロナ禍にあってこの言葉を目にすることが増えた。

 ちょっとぜいたくに寿司を食べたり、気になっていた服を買ったり。

 あれこれと「ご自愛」を試してみたが、罪悪感だけが残った。

 漫画が売れてないのに寿司なんてぜいたくだ。

 素敵な服だけど私にはふさわしくない。

 なぜそう思うのかを自分なりに考えてみたら、「理由のない幸せへの恐怖」に気づいた。

 今月は仕事を頑張ったから自分にご褒美をあげるんだ。

 仕事で必要だから買うんだ。

 そういった理由がなければ、自分を納得させることができない。

 何より、ご褒美を得るには「苦労」や「我慢」がセットになっていると思っていた。

 そんな考え方が勘違いなんだ、と気づかせてくれたのは、友人の何げない一言だった。

 仕事の打ち合わせのため、という理由で買った黒いワンピース。

 それを見た彼女は「わ~、可愛いね」と褒めてくれた。

 反射的に「実はこれ、仕事を言い訳に買っちゃって」と説明すると、こう言ってくれた。

 「それって、仕事は言い訳っ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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