田中前理事長の暴走なぜ? 「チェック機能働かず」日大会見一問一答

 大学トップやその側近らによる不祥事を受け、日本大学は10日、田中英寿・前理事長=脱税容疑で逮捕=との「永久決別」を宣言した。加藤直人・新理事長らによる記者会見の主な内容は次の通り。

 加藤理事長「前代未聞のできごとで、学生と保護者、校友に対し心よりおわびします。日本大学は田中英寿前理事長と永久に決別し、その影響力を排除する。今後一切、業務に携わることを許しません。役員報酬と退職金も一切支給しない。(事件の舞台となった)日本大学事業部は、清算を視野に対応する」

 ――田中氏は独裁的だったのか。なぜ暴走を止められなかったのか。

 「理事長の権限は大変大きい。私自身は田中前理事長からそれほど圧力を受けたことはないが、全体的に田中前理事長の意思が大きなウェートを占めていた。理事の選任について大きな力を持っており、理事会が形骸化し、報告会のようなものになっていた。チェック機能が働いていなかった」

 ――アメフト部の悪質タックル問題でも大学のガバナンス不全が指摘された。なぜ放置されたのか。

 「約30人の理事の大半は理事長が指名し、大きな勢力を占める。田中前理事長に意見を申し上げることは結構あったが、色々な不祥事があり、チェック機能を働かせないといけなかったと感じている」

 ――田中氏が逮捕されていなかったら、解任しなかったのではないか。

 「日大の130年の歴史でこのような不祥事は初めてだ。所得税法違反は大変大きな犯罪で、無罪になる可能性もないわけではないが、田中氏の逮捕が大きな決断になった。逮捕がなければこうはならなかった」

 ――田中氏の妻が経営するち…

この記事は会員記事です。残り442文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment