白内障レンズ選定で80万円授受か 眼科医らを贈収賄容疑で書類送検

華野優気 高井里佳子

 白内障患者に使う眼内レンズの選定で便宜を図った見返りに業者から現金80万円を受け取ったとして、大阪府警は19日、奈良県大和高田市立病院の眼科医の男(54)=大阪市中央区=を収賄容疑で書類送検したと明らかにした。眼科医に現金を渡したとして、医療機器販売会社「スター・ジャパン」(東京)の社員と元社員で40~67歳の男女5人も贈賄容疑で書類送検した。認否を明らかにしていない。

 捜査2課によると、眼科医は2019年12月~21年12月に計3回、同病院で同社の眼内レンズを優先的に選定した見返りに計80万円を受け取った疑いがある。贈賄罪の時効は3年のため、社員らについては19年分を除いた60万円分を容疑とした。同病院での同社のレンズ使用率はこの期間中、それ以前の5割程度から約9割に増えていたという。

 眼科医は公立病院に勤める医師で地方公務員の身分となることから、府警は贈収賄罪が適用できると判断した。

 業界団体の医療機器業公正取引協議会によると、同社は国内各地の医師75人から眼内レンズを使った手術の様子を撮影した動画の提供を受け、総額2千万円以上を支払っていた。眼科医も同社と契約を結び、動画を提供していた。

 協議会は、こうした契約は自社製品の販売を促し、公正な競争を害する行為にあたるとして昨年7月に同社を厳重警告した。動画は患者らに無断で撮影された後、同社に提供されていたという。(華野優気、高井里佳子)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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