目的地はオホーツク、着いたら太平洋 北海道の地名の「落とし穴」

 神戸市に住む看護師の柏木さん(ハンドルネーム、29)は旅行が趣味。旅先でまちなみや人々の暮らしを見るのが好きだ。今年2月、北海道のオホーツク海を目指した。ところが、新千歳空港千歳市)から鉄道とバスを乗り継いで降り立ったのは、太平洋岸の小さなまちだった。

 柏木さんの当初の計画はこうだった。

 初日は新千歳空港から「北東」へ約200キロ離れたオホーツク海に面する紋別市へ。多くの飲食店が集まる「はまなす通り」で食事を楽しむ。2、3日目は北海道北部の美瑛町旭川市周辺で観光。4日目に新千歳空港から神戸に帰る予定だった。

 紋別市にはオホーツク紋別空港があるが、現在就航しているのは東京・羽田空港との1路線のみ。便数が格段に多い新千歳空港から道内各地へ向かうことが多い。紋別市に公共交通機関で行くには、JRで札幌駅に出て高速バスを利用するのが一般的。ところが、柏木さんはJRに乗り十勝地方の帯広へ向かってしまう。

 そこには「落とし穴」があった。

 経路は調べていた。スマートフォンの乗り換え案内アプリで行き先に「紋別」と入れると、検索結果の一番上に「紋別入口/十勝バス 北海道(広尾町)」と出た。神戸空港から新千歳空港に午前11時ごろに到着。JRで帯広駅に向かい、バスに乗り換えた。

 夕日が進行方向の右側に見える。「おかしいな。私、南に向かってる」

 向かっていたのは、目的地の…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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