祇園祭を彩るペルシャ絨毯完成 200年ぶり復帰めざす

 京都・祇園祭の山鉾(やまほこ)巡行に曳山(ひきやま)を出し、本格復帰を目指している「鷹山(たかやま)」の保存会(京都市中京区)は、山の左右を飾る胴懸(どうかけ)が完成したと発表した。イランで織られた豪華なペルシャじゅうたん。2022年に予定通り復帰できれば、「動く美術館」と呼ばれる祭りを一層盛り上げそうだ。

 右側の胴懸(横238センチ、縦158センチ)はイランの遊牧民族カシュガイ族のデザイン。水の神のシンボルであるカニの連続文様が入っている。左側(横247センチ、縦152センチ)は、中部カシャンの宮廷工房で16世紀に作られたじゅうたんを元にしており、聖なる花とされる蓮(はす)の花や子孫繁栄のシンボルというザクロなどを表現している。

 保存会によると、鷹山は15世紀の応仁の乱以前から巡行に参加。江戸後期には色鮮やかなじゅうたんで彩られていたとされる。1826年の暴風雨で装飾品が損傷し、翌年から不参加の「休み山」に。2019年の祭りで、曳山の代わりに掛け軸を収めた唐櫃(からびつ)(木箱)を担ぐ形で巡行に復帰し、22年に曳山を約200年ぶりに出すべく準備をしている。

 10日の発表会では、保存会が昨年購入した、山の前面と背面を飾るトルコのアンティークじゅうたんも併せて披露された。胴懸の制作には堀場厚・堀場製作所会長らが資金面で協力。保存会の山田純司理事長は「多くの人の縁で素晴らしい胴懸ができた。感謝したい」と話した。(大村治郎)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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