秋本議員への資金、発電会社側が賄賂性否定 「馬主組合に提供した」

 自民党衆院議員の秋本真利・前外務政務官(47)=比例南関東、当選4回=が風力発電会社「日本風力開発」(東京都千代田区)側から3千万円近い資金提供を受けたとされる問題で、東京地検特捜部は4日、東京・永田町の衆院第1議員会館の事務所や千葉県佐倉市の地元事務所を、収賄容疑で家宅捜索した。秋本氏は4日付で外務政務官を辞任し、党幹部に離党する意向を伝えた。

 関係者によると、特捜部は秋本氏について、日本風力開発の社長から複数回にわたって計約3千万円を受け取ったとみて捜査。政府が「再エネ海域利用法」に基づいて促進する洋上風力発電事業をめぐり、青森県の「陸奥湾」区域などへの参画を目指す同社に有利な国会質問をした謝礼などとして受領した賄賂が含まれるとみて、強制捜査に踏み切った。

会社側「馬主組合への資金」と説明

 一方、同社社長の弁護人は4日、報道陣への説明の場を設け、資金の賄賂性を否定した。

 弁護人によると、秋本氏と社長は馬主仲間で、競走馬を保有する馬主組合「パープルパッチレーシング」を2021年秋に設立した。出資割合は秋本氏名義が45%、社長の知人名義が45%、秋本氏の知人名義が10%だという。

 社長は21年10月~23年6月に二十数回、秋本氏の求めに応じる形で、馬の購入代や餌代、厩舎(きゅうしゃ)代として、資金を組合口座に送金したほか、牧場などの取引先にも組合名義や社長名義で振り込んだ。秋本氏に現金で渡したこともあり、一連の社長の負担分が総額で約3千万円になると説明した。

 その上で、風力発電とは無関係の馬のための資金であり、提供先も「秋本氏個人ではなく、共同で運営する組合」と主張して賄賂性を否定した。

特捜部「便宜の見返り」とみて捜査

 一方、関係者によると、特捜部は馬主組合は秋本氏が実質的に運営して口座も管理しており、社長が提供した資金は秋本氏個人にあてられたとみて捜査。趣旨にも風力発電事業で便宜を図るなどした見返りが含まれるとみて調べている。

 この日の秋本氏の事務所に対する家宅捜索は4日午前11時ごろから順次始まった。地元事務所の捜索は午後5時半ごろまで続き、約10個の段ボール箱が運び出された。秋本氏はコメントなどは出さなかった。

 秋本氏は12年に千葉9区から衆院に初当選し、前回21年選挙は比例復活で4選。自民党内で「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟」の事務局長を務め、22年8月に外務政務官に任命されていた。日本風力開発は1999年設立で、国内外で風力発電の開発や運用を行っている。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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