科学都市「つくば」に息づく歴史 ガマの油売りからロボット実験まで

 改札を多くの人が行き交う。昨年末の朝、つくばエクスプレス(TX)のつくば駅周辺を歩いた。2005年開業のTXは、東京都心の秋葉原茨城県つくば市の約60キロを最速45分で結ぶ。

 ホームでは秋葉原行きの電車にスーツ姿の人波が吸い込まれていく。駅からエスカレーターを上がって地上に出ると、50メートルほどで、どきっとする看板に出くわした。

 「この歩道は、ロボット実験区域です。ロボットが通ることがありますのでご注意ください」

 調べると、つくば市は11年に移動用のロボットの「実験特区」となり、日本で初めて立ち乗り電動二輪車「セグウェイ」などが公道を走ることが認められていた。

コロナ禍前までは、定期的に観光ツアーも開催されていたらしい。

 宇宙航空研究開発機構産業技術総合研究所……。つくば市内に集まる国の研究機関は約30カ所、民間の研究機関も多い。約24万人の人口で研究者は1万3千人以上を数え、うち8千人ほどが博士号を持つ。つくばでは「石を投げれば博士に当たる」と言う人もいる。

 だが、駅前は40~50年ほど前まで水田や麦畑、林が広がる農村「桜村」だった。鉄道もなく「陸の孤島」とも揶揄(やゆ)された。

 変貌(へんぼう)のきっかけ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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