空から見た神宮外苑の夕暮れ 再開発に向け、第二球場は解体中

嶋田達也

【動画】空から見た、変わりゆく「神宮の杜」=依知川和大撮影

 初夏、午後6時過ぎ。上空から見た明治神宮外苑は夕日が木々を照らし、プロ野球の試合が始まった神宮球場周辺にも明るさが残っていた。

 神宮球場と秩父宮ラグビー場(写真奥)の位置を入れ替えて建て替え、二つの高層ビルを建てる再開発が始まっている。

 神宮球場の隣、夏の高校野球、東東京大会の試合が行われ、ゴルフ練習場も併設されていた神宮第二球場は解体が始まり、すでに人工芝などが撤去された。

 4列に並ぶイチョウ並木は再開発でも維持されるが、多くの木々が伐採もしくは移植される。生態系が悪化し、高層ビルにより景観が損なわれるなどとして、見直しを求める意見も多い。計画中止を求めるオンライン署名は21万筆を超えた。

 文化遺産の専門家らでつくる日本イコモス国内委員会は、再開発事業の環境影響評価(アセスメント)の評価書の不備を指摘している。

 神宮第二球場のさらに隣。2021年に夏季オリンピックが開催された国立競技場。その建て替えでも多くの大木が切られた。神宮外苑と同競技場の周辺はこの10年ほどで大きく景色が変わった。

 神宮第二球場と国立競技場の間になる「建国記念文庫の森」。工事用の白いフェンスで囲まれ、木もれ日が気持ち良い遊歩道も今は歩けない。

 春、フェンスの向こうにヒトツバタゴ(別名なんじゃもんじゃ)が白い花を咲かせていた。(嶋田達也)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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