空き部屋を送り先にした荷物の配達依頼が今春から、近畿一円で頻発している。入居者がいないはずなのに、配達員がインターホンを鳴らすと、中から受取人と称する人物が現れる。奈良県では邸宅侵入事件に発展した。逮捕された容疑者の口から漏れてきたのは「黒いバイト」という言葉だった。
大阪府内と兵庫県内のある集合住宅で3月下旬、それぞれを担当する地元の郵便局が異常に気づいた。
「またここか」。配達先は空き部屋のはずだが、人がいて荷物を受け取った。
日本郵便によると、どちらの部屋も短期間に5回の配達が続いたという。郵便局には配達原簿と呼ばれる住所や居住者の名前が書かれた一覧がある。転居届などで転入転出を確認し、配達先の居住実態を把握する仕組み。ただ、転居届が未提出の場合も考慮し、配達原簿で空き部屋とされていても人がいれば、荷物を渡すのが通常の対応という。
同じ空き部屋で複数回の配達業務が連続したことを受け、同社は全国の状況を確認した。近畿支社管内では3~7月末、空き部屋を送り先にした配達依頼は大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀の5府県で計約190件あり、うち大阪が最多の約80件、兵庫は約60件だった。同規模の発生は近畿以外では確認されていないという。
近畿支社管内では管理会社などに問い合わせて居住確認を強化している。その結果、現在は空き部屋への配達依頼の9割で、荷物を差出人に戻している。
荷物の中身は何か。誰が何のために。
奈良県警橿原署は6月14日…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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