空自談合、起訴内容認める 事件の発端は「使える男がいる」

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仲川明里、松島研人

 航空自衛隊岐阜基地の施設工事を巡り、建設会社側に入札情報を漏らしたとして官製談合防止法違反などの罪に問われた防衛省近畿中部防衛局の元建築課長、稲垣正義被告(60)らの初公判が6日、名古屋地裁(山田耕司裁判長)であり、被告は起訴内容を認めた。検察側は「退職後の再就職先を確保したいという身勝手な動機に酌量の余地はない」と述べ、懲役2年を求刑した。

 入札情報を不正に入手したとして共犯の罪に問われた同省OBで建設会社「アイサワ工業」(岡山市)元顧問の村上泉(65)、同社元名古屋支店長・米田友亮(62)、共同企業体(JV)を組んだ「銭高組」(大阪市)元名古屋支店長・伊藤辰也(63)の3被告も起訴内容を認容。検察側は、3人も漏洩(ろうえい)を働きかけたなどとして、それぞれに懲役1年6カ月を求刑した。4被告の弁護側はいずれも執行猶予付き判決を求め、即日結審した。判決は11月7日に言い渡される。

 検察側は冒頭陳述で、稲垣被告が村上被告から「アイサワに自分の後任として推薦する」と持ちかけられ、再就職を期待するようになったと指摘。その後、村上被告に求められるまま、落札額の下限の目安となる「調査基準価格」を千円単位まで漏らしたと明らかにした。

 起訴状などによると、稲垣被告は入札8日前の2020年11月12日に大阪市内の居酒屋で、調査基準価格とほぼ同額の数字を村上被告に教示。JVはその数字に近い約50億8千万円(税抜き)で落札し、公正な入札を妨害したとされる。(仲川明里、松島研人)

 ノルマを達成したい。会社に貢献したい。天下り先を見つけたい――。それぞれの思惑が入り交じり、官製談合事件に発展したことが4人の被告人質問などで明らかになった。

 「うちには防衛省のOBがい…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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