結愛ちゃん父「親になりたかった」 背景の強迫観念主張

 東京都目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5)が虐待死したとされる事件の裁判員裁判の初公判が1日、東京地裁であった。保護責任者遺棄致死などの罪に問われた父親の雄大被告(34)は大筋で起訴内容を認めた。弁護側は実子ではなかった結愛ちゃんの「(本当の)親になりたい」という気持ちが虐待の背景にあったと主張した。

 雄大被告は黒いスーツとネクタイ姿で出廷。結愛ちゃんの命の危険を認識した時期について、検察側が主張する昨年2月下旬ごろではなく、「3月1日ごろだった」と主張。危険な状態を放置した期間は争う姿勢をみせたが、「ほかは間違いありません」と小さな声で答えた。公判中は終始うつむき加減で、遺体の写真が弁護人席のモニターに映されると、ハンカチで口元を押さえて目をそむけた。

 検察側の冒頭陳述によると、雄大被告は香川に住んでいた2016年4月に優里(ゆり)被告(27)=一審判決は懲役8年で控訴中=と結婚し、結愛ちゃんを養子にした。一家で東京に住み始めた18年1月ごろから過剰な食事制限を始め、朝4時台に起きて勉強するなどの指示を出し、できなければシャワーで冷水を浴びせたり体をたたいたりした。

 2月下旬には極度に衰弱したのに気づきながら病院に連れて行かず、3月2日に敗血症で死なせた。遺体には約170カ所の傷やあざがあったとされる。

 公判には、結愛ちゃんの死亡間際に現場に駆けつけた消防隊員が出廷。「到着すると意識はなく、体は骨と皮。ほおは土気色だった」と証言した。

 弁護側は、「血のつながらない…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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